血糖値下げる薬

血糖値を下げる薬とは？

血糖値を下げる薬とは、主に糖尿病の治療薬として使用されている医薬品の中で、血糖値を下げる効果のある種類のことです。

食事により糖質を摂取すると、血糖値が上昇します。
すると膵臓から血糖値を下げる働きをする、インスリンというホルモンが分泌されます。

しかしインスリンには、血中に存在する糖質を脂肪に変換し、体内に蓄積させる働きもあるのです。

そのため血糖値が急激に上昇すると、同時にインスリンも過剰に分泌され、脂肪が蓄えられるため体重も増えてしまいます。

逆に言えば、血糖値を下げると体重が増えにくくなります。

最近では血糖値を下げる糖尿病治療薬の効果を利用し、ダイエットピルとして活用することも増えています。

血糖値を下げる薬の種類一覧

血糖値を下げる薬には、さまざまな種類が登場しています。
結果的に血糖値を下げることは共通していますが、種類により作用は多種多様です。

作用の違い別に、血糖値を下げる薬の種類を紹介していきます。

GLP-1受容体作動薬	主な成分・商品名 セマグルチド（商品名：リベルサス）
	効果・特徴 メディカルダイエットの定番、食欲の抑制や脂肪の燃焼促進効果のある治療薬
SGLT2阻害薬	主な成分・商品名 ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物（商品名：フォシーガ） カナグリフロジン水和物（商品名：カナグル）
	効果・特徴 1日200～400kcal分のカロリー糖を排出させる治療薬
DPP-4阻害薬	主な成分・商品名 シタグリプチンリン酸塩水和物（商品名：ジャヌビア） ビルダグリプチン（商品名：エクア）
	効果・特徴 血糖値の上昇を抑え、体重を増えにくくする治療薬
ビグアナイド薬	主な成分・商品名 メトホルミン塩酸塩（商品名：メトグルコ）
	効果・特徴 糖新生の抑制など複数の効果で血糖値を下げる糖尿病治療薬
α-グルコシダーゼ阻害薬	主な成分・商品名 アカルボース（商品名：グルコバイ）
	効果・特徴 食後の血糖値の上昇を抑制し、体重の増加を抑える治療薬
スルホニルウレア薬	主な成分・商品名 グリベンクラミド(商品名：オイグルコン)
	効果・特徴 膵臓に作用し、インスリンの分泌を増やす治療薬 持続性に優れる
速効型インスリン 分泌促進薬（グリミン薬）	主な成分・商品名 レパグリニド(商品名：シュアポスト)
	効果・特徴 インスリンの分泌量を増やす治療薬 即効性に優れる
チアゾリジン薬	主な成分・商品名 ピオグリタゾン(商品名：アクトス)
	効果・特徴 筋肉や肝臓に作用し、インスリンの働きを改善する治療薬

GLP-1受容体作動薬

GLP-1受容体作動薬は血糖値を下げる効果のある、糖尿病治療薬のひとつです。

GLP-1とは食事をすると分泌されるホルモンの1種で、インスリンの分泌を促進、血糖値の上昇を抑えるなどの働きがあります。
このGLP-1の働きを助けるのがGLP-1受容体作動薬であり、体重の減少や食欲の抑制などの効果があることが実証済みです。

最近では糖尿病の治療だけでなく、ダイエット目的にもGLP-1受容体作動薬が使用されています。

■主なGLP-1受容体作動薬

SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬とは、体内にある余分な糖を排出することで血糖値を下げる治療薬です。

腎臓にはSGLT2というタンパク質が存在し、ブドウ糖を再吸収する働きがあります。
SGLT2阻害薬がこのSGLT2の働きを阻害することで、ブドウ糖が尿と一緒に排出されるようになります。

結果的に体内に吸収される糖の量が減少するため1日あたりの摂取カロリーも少なくなり、体重が減少します。

糖尿病治療薬として承認されているSGLT2阻害薬ですが、近年ではダイエット目的に使用されることも多いです。

■主なSGLT2阻害薬

DPP-4阻害薬

DPP-4阻害薬は、血糖値の上昇を抑制する作用のある糖尿病治療薬です。

人間は食事をすると、インクレチンというホルモンが分泌されます。
インクレチンは肝臓でおこなわれる糖新生を抑えることで血糖値の上昇を抑制したり、
インスリンの分泌を促すことで血糖値を下げたりする働きがあります。

しかしインクレチンは、DPP-4という酵素により分解されていまいます。

このDPP-4を阻害し、インクレチンの働きを長持ちさせるのがDPP-4阻害薬です。

DPP-4阻害薬は血糖値の上昇を抑制する効果が長時間持続するため、体重が増えにくくなります。

■主なDPP-4阻害薬

参考：DPP-4阻害薬とは？特徴・種類・注意点| 知りたい！糖尿病

ビグアナイド薬

ビグアナイド薬は、世界中で古くから使用されている糖尿病治療薬です。
他の糖尿病治療薬と同様に、ダイエット目的にも使用されることも増えています。

ビグアナイド薬は血糖値をコントロールし、体重が増えにくくなる治療薬です。

人間は空腹になると、肝臓において乳酸から糖が作られる糖新生が起こります。
ビグアナイド薬はこの糖新生を抑制し、体内で過剰に糖が作られるのを防ぐ効果があります。

またビグアナイド薬は、他にもインスリンの働きを強めることで筋肉で糖が効率的に使われるようにしたり、体内の糖を便と一緒に排泄させる効果も報告されています。

ビグアナイド薬はさまざまな効果により血糖値を下げ、糖尿病の治療やダイエットに役立てられています。

■主なビグアナイド薬

参考：ビグアナイド薬とは？特徴・種類・注意点| 知りたい！糖尿病

α-グルコシダーゼ阻害薬

α-グルコシダーゼ阻害薬は、食後の血糖値の上昇を抑える効果のある治療薬です。

食事から摂取される炭水化物は、そのままの形では体内に吸収されることはありません。
唾液や消化管に含まれる酵素により、炭水化物から二糖類、二糖類からブドウ糖へと段階的に分解されてから吸収されます。
α-グルコシダーゼは、炭水化物が分解される時に働く酵素のひとつです。

そこでこの酵素の働きを阻害し、炭水化物からブドウ糖までの分解を遅らせることで、
食後の血糖値の上昇を抑えるのがα-グルコシダーゼ阻害薬となります。

服用することで糖質が時間をかけて吸収され、脂肪になりにくくなります。

■主なα-グルコシダーゼ阻害薬

参考：α-グルコシダーゼ阻害薬とは？特徴・種類・注意点| 知りたい！糖尿病

スルホニル尿素薬

スルホニル尿素薬は、インスリンの分泌を促すことで血糖値を下げる治療薬です。

人間の体内では少量のインスリンが常に作られており、食事を摂って血糖値が上昇すると、さらに多くのインスリンを追加で分泌します。
分泌されたインスリンの働きにより、血糖値が一定になるように保たれています。

スルホニル尿素薬はインスリンの分泌をおこなう膵臓のβ細胞に働きかけ、分泌量を増やします。

■主なスルホニル尿素薬

参考：スルホニル尿素（SU）薬とは？特徴・種類・注意点| 知りたい！糖尿病

速効型インスリン分泌促進薬（グリニド薬）

グリニド薬はインスリンの分泌を増やす効果のある治療薬で、別名速効型インスリン分泌促進薬とも呼ばれます。
インスリンが作られる膵臓のβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌量を増やすのがグリニド薬の作用です。

先に紹介したスルホニル尿素薬と同じような作用ですが、グリニド薬の方が吸収されやすいため効果も早く現れます。
しかし効果が切れるのも早いため、持続性ではスルホニル尿素薬に劣ってしまいます。

■主なグリニド薬

参考：速効性インスリン分泌促進薬（グリニド薬）とは？特徴・種類・注意点| 知りたい！糖尿病

チアゾリジン薬

チアゾリジン薬はインスリンの効きを改善することで血糖値を下げる治療薬です。

筋肉や肝臓では、インスリンによる糖の代謝がおこなわれています。
しかし2型糖尿病を発症すると筋肉や肝臓でのインスリンの効きが悪くなることがあり、この状態をインスリン抵抗性と呼びます。

チアゾリジン薬は筋肉や肝臓に作用することでインスリン抵抗性を改善し、インスリンの効きを良くすること血糖値を下げます。

■主なチアゾリジン薬

参考：チアゾリジン薬とは？特徴・種類・注意点| 知りたい！糖尿病

血糖値を下げると痩せる？

私たちは食事をすると血糖値が上がり、そして血糖値を下げるために膵臓からインスリンが分泌されます。
こうした血糖値の上下は通常の働きで、問題はありません。

ダイエットの天敵となるのは、血糖値が急激に上昇した場合です。

血糖値が急上昇すると、インスリンは過剰に分泌されます。
しかしインスリンには糖を中性脂肪に変えて蓄える性質があり、過剰に分泌されると太りやすくなってしまいます。

従って痩せるためには血糖値の急上昇を防ぎ、できるだけ一定に保つことが必要です。
脂肪を溜め込みにくい状態にすることが、体重を減少させるための第一歩となります。

血糖値の急降下は逆効果

ダイエットのためには血糖値を下げることが必要ですが、低ければいいという訳ではありません。

血糖値の急上昇が起きると、体内ではインスリンが過剰に分泌され、血糖値を下げようとします。

すると血糖値の急降下が起こり、結果として食欲を調節するホルモンのバランスが乱れ、食べたばかりなのにお腹が空いてしまう「偽の空腹感」が起こってしまうのです。

血糖値の乱高下は食欲を増加させ、食べ過ぎにつながる恐れがあるので注意しましょう。

血糖値を下げる薬はダイエットになる？

血糖値を下げる薬は、糖尿病の治療だけでなくダイエットに使用することもできます。

糖尿病患者に対して実施された臨床試験では、血糖値を下げる薬に体重を減少させる効果があることが確認されています。
血糖値を下げる薬による体重の減少効果は、糖尿病を患っていない方にも有効です。

近年ではGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬を痩せるために服用する、メディカルダイエットが注目を集めています。

また血糖値を下げる薬の中でもDPP-4阻害薬やビグアナイド薬、α-グルコシダーゼ阻害薬は、直接的に体重を減少させるような効果はありません。
しかし太りにくい体質を作る効果があり、結果的に体重の減少につながることが期待できます。

ダイエットなら糖質カットより血糖値コントロール

ダイエットをする際に、よくご飯を食べない、あるいは食べる量を極端に減らす糖質カットの方法が用いられます。
しかし糖質カットは短期間で体重を落とす効果は期待できますが、長期的にダイエットを続けるのには不向きです。

糖質をカットしすぎるとエネルギー不足になりやすく、集中力の低下や疲労など日常生活に支障を来たす恐れがあります。
また摂取エネルギーが少なくなると、基礎代謝が少なくなりリバウンドしやすくなることも糖質カットの問題点です。

ダイエットをする場合は糖質を制限するのではなく、血糖値のコントロールを意識した食生活を送る方が確実に、そして健康的に痩せることができます。

血糖値を下げる薬の注意点

血糖値を下げる薬は糖尿病の治療のみならず、ダイエット目的に服用する方も増えています。
近年では多くの方に服用されていますが、副作用や使い方について注意点もあります。

ここでは血糖値を下げる薬の注意点について、順番に解説していきます。

副作用

注意点としてまず挙げられるのが、副作用になります。
血糖値を下げる薬に限らず、医薬品には副作用が付き物です。

特に注意が必要なのが低血糖で、血糖値を下げる作用が強く出過ぎた場合に起こる可能性があります。
具体的には血糖値が70mg/dL以下になると、汗をかく、手や指の震え、不安感などの症状が現れます。

低血糖と思われる症状が出た場合、早めに病院を受診してください。

使い方

血糖値を下げる薬を使用する場合、服用のタイミングにも注意が必要になります。
基本的に、血糖値を下げる薬は食前の空腹状態に服用するものが多いです。

服用するタイミングを間違ってしまうと、血糖値を下げる作用が十分に働かずダイエット効果も得られなくなってしまいます。

血糖値を下げる薬を使用する際は、正しい服用方法を確認した上で飲み始めるようにしてください。

血糖値を下げる薬は市販化されている？

血糖値を下げる薬は、一部市販化もされています。

市販化されている薬は、ほとんどが生薬を原料とした漢方薬です。
また医薬品ではありませんが、血糖値ケアを目的としたサプリメントも多数登場しています。

漢方薬やサプリメントはドラッグストアなどで手軽に購入でき、手を出しやすい値段で販売されていることがメリットです。

しかし漢方薬やサプリメントは、いずれも効果が緩やかです。
効果を実感するまでには、数週間～数ヶ月間は服用を続ける必要があります。

従って血糖値を下げる効果のある医薬品の中でも、西洋薬に分類される医薬品の市販化はあまりされていません。
現在では、血糖値を下げる医薬品の多くは処方薬のみの取り扱いとなります。

血糖値下げる薬は通販できる

血糖値を下げる薬は市販化が進んでおらず、現状では大半が病院での処方のみです。
しかし病院では医師の診察により、治療薬が必要な状態だと判断されなければ処方されません。

しかし血糖値を下げる薬は、個人輸入代行サイトで通販購入することができます。
通販では海外からの購入となり、処方箋も不要なため誰でも購入することが可能です。

通販で買える血糖値を下げる薬

血糖値を下げる薬は、当サイトで購入することができます。
以下は当サイトで取り扱っている、血糖値を下げる薬の紹介です。

血糖値を下げる方法

血糖値は治療薬を使用する以外にも、普段の生活の中で改善することも可能です。
日常生活の中で血糖値は上下するものであるため、血糖値が気になるときは生活習慣の見直しも必要になります。

以下では普段の生活の中で実践できる、血糖値を下げる方法を紹介します。

食事

血糖値を下げるために重要なのは、食事です。

食事の際にまず意識したいのは、5大栄養素をバランスよく摂ることです。

ご飯に汁物、3つのおかずを組み合わせる一汁三菜は和食の基本であり、栄養バランスも取れた組み合わせと言われます。

そして食事をする際は、野菜を先に食べるベジファーストを意識しましょう。

野菜に含まれる食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにするため血糖値の急上昇を防ぐことができます。
また野菜以外ではキノコや海藻、大豆なども食物繊維が豊富な食品です。

従って副菜→主菜→主食の順番で食べることで、血糖値の上昇を抑えることができます。
芋類やカボチャなど糖質が多い野菜がある場合は、最後に主食と一緒に食べるようにしましょう。

運動

血糖値を下げるためには、食後の軽い運動も効果的です。
体を動かすことで血中の糖が筋肉に運ばれていき、エネルギーとして消費されます。

激しい運動をする必要はなく、食後に掃除や散歩をする、あるいは少し遠くの店まで歩くくらいの運動で問題ありません。

ライフスタイルや体力に合わせて、毎日続けられる運動習慣を身に付けることが大切です。

薬

血糖値を下げるためには、食事や運動は基本となる方法です。
しかし食事に注意し、運動をしても血糖値が下がらない、あるいは既に血糖値がかなり高い状態にある方は、血糖値を下げる薬の使用がおすすめです。

食事や運動だけでは血糖値がコントロールできない場合でも、並行して治療薬を使用することで改善が見込めるようになります。