世界各国で処方されているゼニカル。
脂肪吸収阻害薬の中で知名度が最も高い医薬品です。
しかし、ゼニカルと検索すると「ゼニカル 死亡」というサジェストや検索結果が表示されます。
ゼニカルの死亡例はあるのでしょうか?
今回は、ゼニカルの服用により死亡例やリスクについて調査してみました。
ゼニカル服用による死亡例はある?
結論を言うと、ゼニカルの服用と死亡の因果関係は認められていません。
しかし、ゼニカルの服用後に重度の肝障害が発現した報告があり、その中には肝不全による死亡例が2件あります。
ゼニカルの服用そのもので死亡に至るケースはありませんが、服用で肝障害が出る方がいて、その症状が重くなったということになります。
なお、1999年~2009年の10年間で約4,000万人がゼニカルを服用し、効果を実感しているというデータがあります。
重度の肝障害が報告されている
ゼニカルの服用により、重度の肝障害が生じたという例が報告されています。
orlistat 服用に関連する重度の肝障害の報告を計 13 件特定した。その内訳は,[‘Xenical’]に関連する米国外からの報告 12 件および[‘Alli’]に関連する米国内の報告 1 件である。13 件のうち 2 件は肝不全による死亡例であり,3 件は肝移植を必要とした。
ゼニカル服用3週間後に肝機能検査値に異常が起きた症例があります。
35歳の女性でアルコールの乱用やウイルス感染などはなく、無症状で数値のみ異常が発生、その2週間後に黄疸を発現し、入院となりました。
A型、B型、C型肝炎検査ではいずれも陰性で、血清自己抗体も認められませんでしたが症状が次第に悪化し、低ナトリウム血症や腹水、脳症を発症しました。
発症から4週間後に肝移植の手術を行い成功しました。
摘出された肝臓は大部分が壊死していました。
重篤な肝障害でしたが、ゼニカルとの因果関係は認められていません。
ゼニカルと死亡の因果関係はない
FDAの報告書によると、ゼニカルと死亡の因果関係は認められていません。
現時点では,肝障害と orlistat との因果関係は確立されていない。
医療従事者は,患者に対し[‘Xenical’]や[‘Alli’]の処方や推奨を行う前に,これらの薬剤服用による体重減量のベネフィットと上記のリスクの可能性を比較考量すべきである。患者は,そう痒,白眼部分や皮膚の黄変,暗色尿,淡色便,食欲不振などの肝障害の徴候や症状が発現した場合には,orlistat の服用を中止し,担当の医療従事者に相談すべきである。
肝障害が起こった原因として、
・他の医薬品を併用していた
・健康状態として肝障害が発現する原因があった
という可能性があるとされています。
また、肝障害は医薬品の使用有無を問わず原因なしに発現する可能性もあると言われています。
そのため、ゼニカルを服用し死に至るのはきわめてまれな例であると言えるでしょう。
ゼニカルにも副作用はある
他の医薬品と同じく、ゼニカルにも副作用があり、特に消化器系の副作用があると言われています。
ゼニカルの副作用は、服用期間が長くなるほど落ち着く傾向があり、人間の体は副作用にも「慣れる」もので、個人差も生じますが3週間程度で落ち着く場合もあります。
ダイエット効果を高めたいという理由から、ゼニカルを過剰に服用してしまう方いるかもしれません。
しかし、過剰摂取は副作用のリスクを高めるだけなので、用法用量は守って服用することが重要です。
なお、ゼニカルに依存性はないため、安心して継続することが可能です。
非常に一般的な副作用 (10人に1人以上に影響) |
一般的な副作用 (100人中1~10人に影響) |
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頭痛 腹痛/不快感 緊急開便または開便の必要性の増加 鼓腸(風) 排出物 油っぽい排出物 油っぽい便または脂肪便 液状便 低血糖 |
直腸痛/不快感 軟便 失禁(便) 腹部膨満感 歯/歯茎の障害 月経周期不順 疲労感 |
偽物には注意が必要
人気の医薬品であるゼニカルには、偽物も存在します。
外見こそ同じものの、有効成分をまったく含んでおらず、ただのデンプンだったという例もあります。
食物であるデンプンであれば、健康被害が出る可能性は低いです。
しかし、偽物は大抵が粗悪な環境で作られているものですし、効果が出ないことはもちろん、思わぬ健康被害に見舞われる可能性もあります。
海外通販でゼニカルを購入する場合、偽物に十分注意する必要があります。
第三者機関による成分鑑定や、正規品保証をしている安心できるサイトを利用するのがおすすめです。
- 正規品の取り扱いを保証(第三者による鑑定済み)
- 信頼ある業者のみと取引
- 定期的に倉庫視察を実施
参考サイト
・個人輸入において注意すべき医薬品等について|厚生労働省
ゼニカルの効果
脂肪吸収阻害薬のゼニカルは、食事から摂取した脂質をカットしそのまま体外へと排出する効果を持つ医薬品です。
脂質の多い食事を摂る方で、脂肪を燃焼させるための運動をなるべく避けたいという方におすすめです。
「ゼニカルの服用による死亡例」という検索結果が出てくることがありますがこれは誤りで、ゼニカルの効果そのものが死因になっているわけではありません。
稀な事例である死亡例ですが、ゼニカルの成分である「オルリスタット」に対する過敏症とも考えられているものの、過敏症の典型的な特徴は報告されていません。
ゼニカルの脂肪カット率はどのくらい?
ゼニカルの脂肪カット率は約30%となっています。
食事から摂取した脂肪の約3割がそのまま体外へ排出されるため、脂っこい食事が多い方に効果的な医薬品です。
上記のような肉類やラーメン、デザートといった脂質を多く含む食事の際に効果を発揮します。
脂質が少ない食事内容では、効果が薄くなる可能性が高いので、食事内容によって服用の有無を決めるのがおすすめです。
まとめ
ゼニカルは安全に服用できるメディカルダイエット薬と呼ばれる医薬品です。
偽物や過剰摂取に注意し、用法用量を守って服用することで、体重を減少させることが期待できます。
脂っこい食事を好む人、食事を気にせずダイエットしたい人におすすめです!
ぜひ、ゼニカルでダイエットを始めてみませんか?