飲むだけで脂肪や体重を落とすことができる、痩せる薬は内科で処方されています。
内科でもらえる、痩せる薬にはどのような種類があるのでしょうか。
今回は内科で取り扱いのある痩せる薬について、種類ごとの値段や保険適用の有無も併せて解説していきます。
内科でもらえる痩せる薬は2種類
内科で処方されることがある、瘦せる薬は2種類があります。
※価格は保険適用により変わるため、薬価で記載しています。
それぞれ異なる有効成分を配合し、もたらされるダイエット効果にも違いがあります。
2種類の治療薬について、詳しく紹介していきます。
食欲抑制剤・サノレックス
サノレックスとは、1992年に登場した食欲抑制剤です。
有効成分のマジンドールは脳の視床下部に働きかけ、食欲を抑制する作用を発揮します。
臨床試験では、高度の肥満症(BMI35以上)の方を対象としサノレックスの食欲抑制や体重減少の効果を調査されました。
試験の結果は中等度以上の改善が見られた割合は43.2%、軽度以上の改善が見られた割合は75.0%でした。
またサノレックスの基本的な服用方法は1日1回、昼食の30分前に服用することであり、手間なく続けることができます。
ただし依存性があることも確認されているため長期的に続けることはできず、最長でも3ヶ月までの服用となります。
参考サイト
・医療用医薬品 : サノレックス (サノレックス錠0.5mg)-17.1.1 国内臨床試験
サノレックスは依存性があり海外では使用中止
サノレックスは依存性が認められていて、海外では使用を中止しています。
米国:1973年承認→2001年使用中止
EU:中止
日本:1992年承認
日本では、使用中止になっていませんが、長期間の使用は推奨していません。
長くても3ヶ月を目安とした服用期間を設けています。
また、1ヶ月で効果が見えない場合は、服用を中止します。
参考サイト
・日本内科学会雑誌第104巻第4号
肥満症治療薬・ウゴービ
ウゴービは、2024年2月22日から新しく販売が開始された肥満症治療薬です。
GLP1-受容体作動薬となり、糖尿病治療薬のリベルサスやオゼンピックと同じ、セマグルチドを有効成分としています。
またウゴービは、注射タイプの治療薬です。
週1回の皮下注射により有効成分が満腹中枢に作用し、食欲を抑制する、満腹感を持続させるなどの効果を発揮します。
体重減少効果も高く、臨床試験では68週間の投与により次のような結果が報告されています。
1.7mg:41.8%
2.4mg:60.6%
15%以上の体重減少が確認された方
1.7mg:24.5%
2.4mg:40.9%
高い効果に加えて安全性にも優れるため、肥満大国とも言われるアメリカでも使用されているのがウゴービです。
参考サイト
・医療用医薬品 : ウゴービ (ウゴービ皮下注0.25mgSD 他)-17. 臨床成績
内科でもらえる痩せる薬は保険適用になる
サノレックスやウゴービなどの痩せる薬は、内科において保険が適用されます。
しかし誰でも保険が適用される訳ではなく、一定の条件を満たさなくてはなりません。
内科で瘦せる薬が保険適用になる条件について、詳しくご紹介していきます。
サノレックスの保険適用の条件
サノレックスの保険適用の条件は、以下の通りです。
・高度肥満症の人
・肥満度が+70%以上
・BMI35以上
サノレックスは前提として、食事内容の改善や運動などを行ってもダイエット効果が不十分な方を対象に処方される治療薬です。
しかし食事療法や運動療法の効果が不十分であれば必ず処方されるものではなく、BMIや肥満度の数値が高い、高度の肥満症の方に限ります。
BMIや肥満度は、以下の計算式で求められる数値です。
肥満度(%)=(実体重-標準体重)÷標準体重×100
例えば150cmの方の場合、78.7kg以上でBMIが35となり、サノレックスが保険適用となります。
- 身長
- cm
- 体重
- kg
参考サイト
・医療用医薬品 : サノレックス (サノレックス錠0.5mg)-5. 効能または効果に関連する注意
ウゴービの保険適用の条件
ウゴービの保険適用の条件は、以下の通りになります。
・BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35kg/m2以上
上記の条件の中でも、肥満に関連する健康障害には次のような症状が該当します。
・脂質異常症
・高尿酸決勝
・高血圧
・脳梗塞
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群 など
保険適用の条件にBMIの数値が関係しているのは、サノレックスと同様です。
しかし基本的に、ウゴービが保険適用となるためには高血圧や脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかを治療中でなくてはなりません。
総じてウゴービが保険適用となる条件を満たすことは、厳しいというのが現状です。
参考サイト
・医療用医薬品 : ウゴービ (ウゴービ皮下注0.25mgSD 他)-4. 効能または効果
内科でもらえる痩せる薬には漢方もある
内科では、肥満症の治療薬として漢方薬が処方されることもあります。
漢方薬は市販もされていますが、処方薬との違いは成分の配合量です。
基本的に処方薬は最大の成分量で作られているのに対し、市販薬の成分量は50~80%とされています。
従って同じ漢方薬でも、病院でもらえる処方薬の方が高い効果が期待できます。
内科で痩せる薬として使用される漢方薬は、主に以下の3種類です。
防風通聖散 | 防已黄耆湯 | 大柴胡湯 | |
---|---|---|---|
特徴 | 腹部の皮下脂肪が気になる方や便秘の方におすすめ 体を温めることで脂肪の燃焼を促進 エネルギーの消費量を増やす |
下半身のむくみや水太りが気になる方におすすめ 余分な水分の排出を促進 体の水分量を整える |
便秘が気になる方やイライラしている方におすすめ 血液の循環や自律神経を整え 食べすぎや便秘を改善 |
おすすめな方 | ・脂肪太り ・太鼓腹 |
・水太り ・かえる腹 |
・便秘気味 ・ストレスがある |
内科でもらえる痩せる薬と美容クリニックでもらえる痩せる薬の違い
痩せる薬は内科だけではなく、美容クリニックでも取り扱っています。
近年では病院から痩せる薬を処方してもらう際、内科ではなく美容クリニックを利用している方が大多数です。
内科と美容クリニックにおいて、取り扱っている痩せる薬の種類には次のような違いがあります。
美容クリニック:承認済みの肥満症治療薬+日本で未承認の治療薬
内科 | 美容クリニック | |
---|---|---|
種類 | 2種類 | 10種類ほど |
保険 | 一部適用 | 適用外 自由診療 |
費用 | 月12,000円~ | 月15,000円~ |
美容クリニックでも内科と同様に、サノレックスなどを処方していることがあります。
しかしそれらに加えて、主に糖尿病の治療薬をダイエット目的に処方しているのが美容クリニックの特徴です。
内科と美容クリニックについて、それぞれで処方されている痩せる薬の種類や費用の違いを詳しく解説していきます。
種類の違い
内科で処方されているのは、主にサノレックスとウゴービの2種類です。
一方、美容クリニックでは10種類ほどの痩せる薬が処方されています。
内科 | 美容クリニック | |
---|---|---|
サノレックス 食欲抑制剤 |
〇 | 〇 |
ウゴービ GLP-1受容体作動薬 |
〇 | 〇 |
リベルサス GLP-1受容体作動薬 |
× | 〇 |
サクセンダ GLP-1受容体作動薬 |
× | 〇 |
フォシーガ 糖質吸収抑制剤 |
× | 〇 |
ゼニカル 脂肪吸収抑制剤 |
× | 〇 |
美容クリニックで処方されている治療薬について、特に有名なのはゼニカルです。
オルリスタットを有効成分とする脂肪吸収阻害薬で、食事から摂取される脂質の吸収を抑えてくれます。
最近では同じ有効成分を含む市販薬アライが登場したことでも、話題となっています。
また糖尿病治療薬のフォシーガも知名度の高い治療薬のひとつです。
糖質の吸収を阻害する作用があり、甘いものやご飯などが好きな方に向いています。
目的ごとに使い分けることができ、より自分に合った種類を選べるのが美容クリニックの痩せる薬です。
費用の違い
内科と美容クリニックでは、処方している痩せる薬の値段に違いがあります。
まず内科で処方されるサノレックスやウゴービには、条件は厳しいものの保険が適用されます。
負担額は3割で済むため、比較的安価に購入できることは大きなメリットです。
一方の美容クリニックでは、主に処方されるのが未承認の治療薬です。
保険が適用されず自由診療となり、薬代も全額自己負担になるため内科と比べると高額になってしまいます。
■サノレックス
1ヶ月あたり:約16,500円※1錠550円
■ウゴービ
美容クリニックでの取扱いなし
同一成分のオゼンピック
17日分:24,800円
サノレックスを処方している美容クリニックもありますが、この場合も保険が適用されません。
豊富な種類の痩せる薬を取り扱っているのは美容クリニックのメリットですが、保険が適用されないため値段が高額になりがちな点には注意しましょう。
痩せる薬を安く購入するなら個人輸入!
痩せる薬は激しい運動や食事制限をする必要なく痩せられる反面、病院では比較的高額な薬代がかかります。
しかし高額な薬代も抑えたいという方には、個人輸入がおすすめです。
美容クリニックで処方される痩せる薬は、個人輸入でも同じ種類のものが購入できます。
個人輸入なら通院が不要なため診察代などもかからず、薬代だけで痩せる薬を入手することが可能です。
また個人輸入ではジェネリックも取り扱っており、さらに値段を抑えることもできます。
個人輸入で購入できる痩せる薬
痩せる薬の中でも、サノレックスは輸入規制の対象とされているため個人輸入では購入できません。
しかしそれを差し引いても、個人輸入では様々な種類の瘦せる薬を購入することが可能です。
リベルサス |
ゼニカル |
フォシーガ |
フォシーガジェネリック |
ジャディアンス |
|
特徴 | メディカルダイエットの定番の治療薬 ウゴービと同一成分 |
100ヶ国以上で使用され、脂質の30%をカット | 1日200~500kcal分の糖を排出ル | ォシーガの海外製ジェネリック | 余分な糖を排出する、SNSなどでも話題 |
成分 | セマグルチド | オルリスタット | ダパグリフロジン | ダパグリフロジン | エンパグリフロジン |
体重減少率 | 26週間で -2.2kg |
1年間で -6.1kg |
24週間で -3.17kg |
24週間で -3.17kg |
24週間で -2.15kg |
メーカー | ノボノルディスク | Delpharm Milano S.r.l./Cheplapharm Arzneimittel | AstraZeneca/アストラゼネカ | Asle pharmaceuticals | Boehringer Ingelhelm |
価格 | 10錠8,500円~ | 42錠9,360円~ | 28錠6,300円~ | 30錠5,400円~ | 30錠5,700円~ |
内科でもらえる瘦せる薬に関するよくある質問
内科では瘦せる薬を処方してもらうことが可能ですが、どの治療薬が良いのかなど疑問やお悩みを抱く方も多いことでしょう。
ここでは、痩せる薬に関してよくある質問をご紹介していきます。
アライは内科でもらえますか?
アライは、内科では処方されていません。
市販薬であり、内科ではなくドラッグストアまたは薬局での取り扱いとなります。
しかし要指導医薬品となり、誰でも店頭で購入できる訳ではありません。
購入時には薬剤師と対面の上で、最低でも1ヶ月前から食事や運動の改善を実施し、その記録を提出するなど一定の条件を満たす必要があります。
国内のアライと同一商品 オルリスタット60mg 84錠:11,700円~ >>アライはこちらから |
サノレックスでどれくらい痩せますか?
サノレックスは個人差があるものの、1ヶ月服用を続けることで3~5kgほど痩せると言われています。
リバウンドも起こりにくく、食生活の改善や運動を並行することでより確実なダイエット効果を得られるはずです。
しかし依存性が懸念されるため、連続での服用には十分に注意してください。
一番痩せる薬はどれですか?
痩せる効果が最も期待できるのは、ゼニカルです。
脂肪の吸収を抑える治療薬であり、臨床試験では1年間の服用により6.1kgも痩せたという結果が報告されています。
またゼニカルは1997年に初めて承認されてから、現在では100ヶ国以上で使用されています。
多くの国々で有効性や安全性が認められ、安心して服用できる治療薬です。