フォリックスFR12は発毛効果に優れたミノキシジル配合の外用薬で、高い効果を期待できるAGA治療薬です。
薄毛が気になる部位に塗布するだけで発毛効果を発揮しますが、医薬品のため副作用が起こる可能性があります。
本記事では、フォリックスFR12の副作用について、具体的な症状や対処法を詳しく紹介します。
安心してAGA治療をしたい方、使用を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
フォリックスFR12の副作用の症状と発現頻度
フォリックスFR12は薄毛が気になる部位に直接塗布する外用薬のため、副作用の中でも皮膚症状が一番多く報告されています。
近年行われた特別調査の結果によると、報告された副作用の発生頻度は3,072例中271例の8.82%です。
※表はスクロールできます。
1%以上 | 0.10~1%未満 | 0.10未満 | |
---|---|---|---|
精神障害 | – | – | 不眠症 |
神経系障害 | – | 浮動性めまい 頭痛 |
体位性めまい 感覚鈍麻 睡眠の質低下 |
眼障害 | – | – | 眼痛 眼瞼炎 眼充血 霧視 |
耳および迷路障害 | – | – | 耳鳴 |
心臓障害 | – | 動悸 | 心不全 |
血管障害 | – | – | ほてり |
胃腸障害 | – | – | 腹痛 上腹部痛 |
皮膚および 皮下組織障害 |
頭部粃糠疹 接触性皮膚炎 |
– | 紅斑 毛髪変色 毛髪障害 多毛症 そう痒症 発疹 脂漏性皮膚炎 裂毛 蕁麻疹 皮膚のつっぱり感 |
一般・全身障害および 投与部位の状態 |
適用部位そう痒感 適用部位紅斑 適用部位発疹 |
適用部位刺激感 適用部位疼痛 適用部位熱感 末梢性浮腫 適用部位乾燥 適用部位分泌物 適用部位腫脹 |
適用部位浮腫 胸痛 浮腫 適用部位炎症 適用部位異常感覚 適用部位発汗 適用部位変色 適用部位皮膚剥脱 適用部位びらん 適用部位痂皮 |
臨床検査 | – | 血圧上昇 心拍数増加 |
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 眼圧上昇 |
最も多い症状は、投与部位の状態の6.25%で192件報告されています。
副作用のほとんどが軽度の症状であり、過度な心配はいりませんが、フォリックスFR12を使用中は以下の副作用が見られる可能性があるため注意しましょう。
参考サイト
・ミノキシジルのリスク区分について – 表1 特別調査(モニター店による調査)
フォリックスFR12の投与部位の状態
特別調査において最も報告された投与部位の状態は、192件、6.25%の発現率でした。
実際にフォリックスFR12を塗布する部位には、他の部分よりも副作用の発現頻度が高くなっています。
主な症状は以下の通りです。
適用部位そう痒感(4.00%) |
---|
塗布部位のかゆみの症状、炎症や赤みがなくともかゆみが起こることもある |
適用部位発疹(1.40%) |
赤みや水ぶくれ、できものなどが起こる |
適用部位紅斑(1.01%) |
毛細血管の拡張によって適応部位に赤みやかゆみを伴う |
適用部位刺激感(0.42%) |
塗布部位に刺激を感じ、痛みやひりつきなどを感じる |
適用部位乾燥(0.20%) |
塗布部位が乾燥し、頭皮がかさつく、剥がれ落ちるなどの症状 |
適用部位熱感(0.13%) |
塗布部位が熱くなり、赤み・痛みなどを感じることもある |
適用部位疼痛(0.13%) |
塗布部位の痛み、不快感を感じる症状 |
適用部位腫脹(0.13%) |
塗布部位の腫れ、アレルギー反応・炎症などにより、血管透過性が進むことで血液滲出成分が漏れ出すことで腫れが起こる |
末梢性浮腫(0.10%) |
足や指先などにむくみが起こる、体内の水分が排出されず留まることで起こる |
適用部位分泌物(0.10%) |
皮脂・浸出液(皮膚が傷ついたときに出る液体)などが、頭皮の腺を介して排出される べたつきやかゆみを伴う場合もある |
適用部位発汗(0.07%) |
塗布部位に汗が出る |
適用部位炎症(0.07%) |
皮脂や常在菌・傷などから頭皮に炎症が起こり、赤み・腫れ・痛みを伴う場合がある |
適用部位変色(0.07%) |
塗布部位の頭皮の色が赤くなる場合がある |
適用部位びらん(0.07%) |
頭皮や粘膜の表皮が欠損することで、下部組織が露出する症状 |
適用部位痂皮(0.07%) |
痂皮(かひ)は塗布部位の頭皮に、液体成分・膿などが付く症状、かさぶたとも呼ばれる |
適用部位浮腫(0.03%) |
塗布部位に水分がたまる症状 |
胸痛(0.03%) |
胸が重い、締め付けられるといった症状が起こる |
浮腫(0.03%) |
全身にわたり水分が排出されず体内に留まる症状 |
適用部位異常感覚(0.03%) |
フォリックスFR12を使用する前に感じなかった異常を感じる |
適用部位皮膚剥脱(0.03%) |
皮膚が剥がれ落ちる症状 |
参考サイト
・パッチテストってなんですか? | よくあるご質問・お問い合わせ
フォリックスFR12の皮膚症状
特別調査において報告された皮膚症状は、70件、2.28%の発現率でした。
主な症状は以下の通りです。
頭部粃糠疹(1.07%) |
---|
頭皮の角質が白い米ぬかのように多量に剥がれ落ちる症状で、フケ症とも呼ばれており、かゆみを伴う場合がある |
接触性皮膚炎(1.04%) |
皮膚に原因物質が接触し、アレルギー反応や刺激となって水ぶくれや発赤、かゆみなどの症状が生じる |
紅斑(0.03%) |
毛細血管の拡張によって引き起こされ、皮膚が赤くなってかゆみを伴う場合が多い |
毛髪変色(0.03%) |
毛髪の色の変化、色素の喪失 |
毛髪障害(0.03%) |
毛髪の乾燥や光沢の消失、強度の低下、抜け毛の増加などが見られる |
多毛症(0.03%) |
一部や全身の体毛が増える症状で急激に体毛が成長したり、濃くなったりする |
そう痒症(0.03%) |
皮膚に湿疹や発疹がないにもかかわらず、全身または一部にかゆみの症状だけが現れる |
発疹(0.07%) |
突然起こる皮膚トラブルで、皮膚の表面がブツブツしたり、一部が赤くなったりする |
脂漏性皮膚炎(0.03%) |
皮脂が多く分泌する部位に起こり、皮膚の剥がれや赤み、フケ、かゆみなどが生じる |
裂毛(0.07%) |
毛髪が節の部分から避けて枝毛や切れ毛が増える |
蕁麻疹(0.07%) |
皮膚の一部が赤く腫れて盛り上がり、強いかゆみや刺されたような痛みを伴う |
皮膚のつっぱり感(0.07%) |
皮膚の水分バランスが乱れて、皮膚を動かすとつっぱる、硬さを感じる状態 |
報告されている皮膚症状は軽度なものが多いですが、症状が改善しない場合は使用を中止して医師に相談してください。
フォリックスFR12の神経系症状
フォリックスFR12の神経系症状は、17件、0.55%の発現率でした。
主な症状は以下の通りです。
浮動性めまい(0.20%) |
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ふわふわと浮いているような感覚を生じるめまいで、頭が安定せずに左右前後に揺れるような感じがする |
体位性めまい(0.03%) |
体を動かしたときに揺れた感じがする、ぐるぐるするなどのめまいを生じる |
頭痛(0.33%) |
血管が拡張されて血流を改善するため、神経が刺激されて過敏になり、ズキズキとした痛みや圧迫感が起こる |
感覚鈍麻(0.03%) |
特定の刺激に対して皮膚の感覚が鈍くなり、痛みや暑さ、寒さなどを気づきにくくなる症状 |
睡眠の質低下(0.03%) |
眠りが浅くなり日中の眠気や記憶力の低下、疲労感、気分の落ち込み、体調不良などの症状を引き起こす |
フォリックスFR12の心臓系症状
フォリックスFR12の心臓系症状は、7件、0.23%の発現率でした。
主な症状は以下の通りです。
心不全(0.03%) |
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心臓から必要な血液を送り出すことができなくなり、体内の酸素や栄養が不足して、息切れや疲労感、むくみ、体重の増加、胸の圧迫感などの症状を引き起こす |
動悸(0.20%) |
普段と比べて心臓の拍動が強く感じられて、心拍が速い、脈が飛ぶ、手のふるえ、胸のつまりなどの症状が見られる |
使用中に息切れやむくみ、胸の圧迫感などが見られる場合は、心不全の初期症状の可能性があるためすぐに医療機関を受診してください。
その他の副作用の症状
その他の副作用の症状として、不眠症や耳鳴りといった症状がありました。
発現頻度は0.10%以下のものがほとんどでした。
不眠症(0.03%) |
---|
睡眠障害のひとつで入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害を引き起こし、集中力の低下や倦怠感、食欲の低下など日常生活に支障をきたす恐れがある |
耳鳴(0.07%) |
周囲で音がしていないにもかかわらず、耳や頭の中でジーやゴー、キーン、ピーなど様々な音が聞こえる症状 |
ほてり(0.03%) |
血管が拡張して血流が良くなり、ほてりを引き起こして使用部位に熱を感じたり、赤みが生じたりする |
腹痛(0.03%) |
お腹の一部または全体が痛む症状で、急激な痛みや鋭い痛み、鈍い痛みなどがある |
上腹部痛(0.03%) |
血管拡張作用が原因になっている可能性があり、腹部の上部または胃に鈍痛や不快感が生じる症状 |
夜間頻尿(0.03%) |
就寝後に1回以上、排尿のために起きる症状で頻度が増えると睡眠の質の低下を引き起こす恐れがある |
フォリックスFR12で皮膚以外にも副作用が起こる理由
フォリックスFR12は外用薬のため、主に皮膚症状の副作用を引き起こしますが、有効成分が皮膚を通じて体内に吸収されるため、皮膚症状以外の副作用が起こる場合があります。
体内に吸収された成分は皮下組織から血中に取り込まれ、体全体に拡散されて効果を発揮します。
有効成分のミノキシジルには血管拡張作用があり、血流を一時的に増やすため、頭痛や動悸、めまい、腹痛、ほてりなどの副作用が起こるのです。
また、体全体の毛包の働きを活性化させるため、体毛が増えたり、濃くなったりする多毛症が起こる可能性があります。
皮膚症状以外の副作用の発生頻度は低く、過度な心配はいりませんが、症状が改善しない場合は医師の診察を受けましょう。
参考サイト
・ぬり薬の蘊蓄 第1章 外用剤における基剤と剤形の重要性について:主薬の経皮吸収に対する基剤や剤形の影響 | マルホ 医療関係者向けサイト
フォリックスFR12の頭痛が起こる原因
フォリックスFR12を使用中に頭痛が起こる原因は、主成分のミノキシジルです。
ミノキシジルには血管拡張作用があり、体内に吸収されて血中に流れ込むと全身の血管に影響を与える可能性があります。
毛細血管が拡張することで、神経が刺激されて過敏になり、痛みを起こす炎症物質を放出して頭痛を引き起こすと考えられています。
特に、使い始めに見られることが多く、成分が体に慣れると軽減される場合がほとんどです。
フォリックスFR12は鎮痛剤や頭痛薬との併用が可能なため、体に慣れるまでは併用しましょう。
フォリックスFR12の重大な副作用
フォリックスFR12は安全性に優れた外用薬で、重大な副作用は特にありません。
ただし、体調や体質によっては成分が合わずにアレルギー症状を起こす可能性があります。
また、副作用を放置すると、症状が悪化して健康被害につながる恐れがあるため注意が必要です。
使用中は体調の変化を十分に観察し、異変が見られる場合は使用を中止して医師の診察を受けましょう。
フォリックスFR12の初期脱毛
フォリックスFR12は有効成分によってヘアサイクルが正常化するため、初期脱毛が起こる可能性が高いです。
初期脱毛はヘアサイクルを整える段階で発生する一時的な脱毛であり、成長が止まってしまった短くて細い髪の毛が抜け落ちます。
フォリックスFR12を使用して、10日~2週間ほどで初期脱毛が起き、一時的に抜け毛が増えます。
使用開始後に抜け毛が増えるため、心配になる方も多いですが、1~2ヶ月ほど経つと改善されることがほとんどです。
初期脱毛はフォリックスFR12が効いている証であり、時間の経過とともに改善されるため、自己判断で中止せずに使い続けましょう。
初期脱毛の仕組み
初期脱毛の仕組みはヘアサイクルが大きく関わっています。
ヘアサイクルは髪の毛が成長する成長期、寿命を迎えた髪の毛が抜ける退行期、髪の毛の成長が止まり古い髪の毛が抜け落ちる休止期の3つです。
AGAの場合、成長期が著しく短縮されて休止期が長くなり、新しい髪の毛の成長を遅らせます。
フォリックスFR12の有効成分ミノキシジルは、髪の毛の成長に必要な毛母細胞の働きを活性化させるため、休止期を短縮させて成長期への移行を早めます。
ヘアサイクルが整うことで、太くて抜けにくい新しい髪の毛が成長するため、成長が停止していた古い髪の毛が押し出されて抜け落ち、抜け毛が増えるのです。
初期脱毛で抜ける髪の毛は成長が止まった細くて短い髪の毛であり、過度に心配する必要はありません。
参考サイト
・ミノキシジルで初期脱毛が起きるのはどうして?薬の作用や期間を解説 | ロート製薬: 商品情報サイト
フォリックスFR12の副作用の対処法
フォリックスFR12には様々な副作用がありますが、副作用を軽減するために以下の対処法があります。
それぞれの対処法について詳しく解説しますので、使用を検討している方や副作用にお悩みの方はぜひご覧ください。
かゆみや皮むけは使用量を減量
かゆみや皮むけが起こった場合は、使用量を減らして様子を見ましょう。
使用量の減量はフォリックスFR12の説明書にも記載されており、有効な対処法のひとつです。
通常、1回あたり5プッシュの1mlが目安量ですが、3プッシュに変えるなど使用量を減らしてみましょう。
減量してかゆみや皮むけが治まった場合は、目安量の5プッシュまで時間をかけて少しずつ増量してください。
使用量を減らしてもなかなか改善しない方は、ミノキシジル濃度の変更を検討しましょう。
フォリックスFR12のノキシジル濃度は12%と高いため、体質に合わずに副作用が起きている可能性があります。
フォリックスシリーズには低用量から高用量まで、様々なミノキシジル濃度があるため、自分に適した製品に切り替えましょう。
頭皮を清潔に保つ
副作用の対処法として、頭皮を清潔に保つことも大切です。
頭皮が汚れた状態は毛穴が詰まって細菌の増殖を招き、頭皮環境を悪化させて、かゆみや脂漏性皮膚炎などの副作用のリスクを高める恐れがあります。
そのため、使用前はシャンプーで汚れをしっかりと洗い落とし、頭皮を清潔な状態にしましょう。
また、髪の毛が濡れた状態を放置すると、カビや細菌が繁殖して副作用を引き起こす可能性があるため、十分に乾かしてからフォリックスFR12を使用してください。
頭皮を保湿する
使用後に頭皮の乾燥やかゆみ、フケなどの副作用が見られる場合は、頭皮をしっかりと保湿しましょう。
頭皮の乾燥は皮膚のバリア機能を低下させるため、外部からの刺激に弱くなり、かゆみや赤み、痛みなどの症状を引き起こします。
特に、洗浄力の強いシャンプーや40度以上でのお風呂は、必要な皮脂を洗い流して頭皮が乾燥しやすくなるため注意が必要です。
保湿成分が配合されたシャンプーや保湿ローションを使って頭皮を保湿し、乾燥を防ぎましょう。
異変を感じたら使用を中止する
フォリックスFR12は外用薬のため、副作用は内服薬と比べて軽度なものが多いです。
また、リポスフィアテクノロジーと呼ばれる最先端技術が採用されており、有効成分の浸透や吸収を高めて頭皮の残留を防ぐ働きがあります。
そのため、従来の育毛剤と比べて赤みやかゆみなどの副作用が少ないです。
ただし、使用後に異常が見られる場合は使用を中止して医師に相談しましょう。
フォリックスFR12で副作用を起こさないために
フォリックスFR12で副作用を起こさないためには、事前にパッチテストを行うことが大切です。
パッチテストの方法は以下の通りです。
場所:二の腕の内側
清潔にした腕に綿棒やコットンを使ってフォリックスFR12を塗布
液剤が乾いたらそのまま24時間程度様子を見る
24時間の中で肌に異常がないか確認
赤み・腫れ・かゆみなどがあるかチェック
パッチテストで塗布部位に赤みやかゆみ、刺激感などがあった方は、頭皮に塗布した場合、同様の症状が起こる可能性があります。
特に、敏感肌の方は成分が肌に合わない場合があるため注意が必要です。
パッチテストは副作用のリスクを事前に知ることができるため、使用前に必ず行いましょう。
参考サイト
・パッチテストってなんですか? | よくあるご質問・お問い合わせ
用法用量は正しく守る
副作用の対処法やパッチテストなどについて解説してきましたが、副作用を起こさないために1番大切なのは、用法用量を守り正しく使用することです。
抜け毛や薄毛を早く改善したい、より高い効果が欲しいなどあると思いますが、大量に使用しても効果が高まって早期改善することはありません。
また、用法用量を守らない場合は副作用のリスクを高めるだけでなく、副作用が強く現れる可能性もあるため注意が必要です。
副作用を起こさないためにも、用法用量を守って正しく使用しましょう。
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